一般的なイメージとして、ローコスト住宅の多くは、施主の意向を反映できる自由度が低いという印象があります。例えばLDKを2階に配置するといった間取り変更は、ローコスト住宅でも可能なのでしょうか?ここではローコスト住宅の間取りで失敗しないために、予め知っておきたい各種の知識をご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
予め用意されているベースプランに、施主の意向に応じたアレンジを加えていくタイプの住宅になります。ローコスト住宅の場合、この規格住宅方式となっているケースが多く見られます。ただし、どの程度の変更が可能なのかは、業者によってケース・バイ・ケース。間取りも含め、何をどの程度変更できるのかを、事前にキチンと確認しておくべきです。
白紙の状態から、施主と業者が話し合いながら施工プランを練り上げていく方式の住宅であり、基本的には完全に自由な設計が可能です。しかしながら、施工業者のなかには注文住宅と謳っていながら、実際には規格住宅であるというパターンも少なくありません。完全自由設計は可能なのか、間取りの変更はできるのかを、必ず事前に確認しておきましょう。
ローコスト住宅を検討するにあたり、もうひとつ事前に確認しておくべき事柄が、標準仕様とオプション扱いとなる内容です。例えば建物の耐震性や耐久性、断熱性や省エネ性、アフターメンテナンスの内容などは標準仕様なのか、オプション扱いであったり、何かしらの装備を有償で追加したりする必要はないのかといったことを、しっかり確かめておいてください。
率直に言うと、可能な限りコストを抑えることから、ローコスト住宅の間取りは、似たようなパターンになりやすいというのが実情です。例えば2階建て4LDKの場合、1階にLDK、バス・トイレ、個室が1部屋、2階には3部屋程度の個室といった形じです。
そもそもローコスト住宅は費用を抑えるために、1階と2階を同じ面積とする総二階で、水廻りを一ヶ所にまとめ、廊下はなるべく少なくするというアプローチが多くなり、間取りパターンが自ずと似てくることになるのです。それゆえ選択肢が限られてしまいますが、何でも自由に選べるというのも取捨選択を繰り返さなければならず大変な作業になるため、面倒と感じる方にはむしろ適しているとも言えます。
ローコスト住宅は廊下をなるべく短くし、その分を居室の面積に割り当てるという傾向があります。その考えには一理ありますが、将来的に大型家電や家具類の買い替える際のことも考慮しておく必要があります。ありがちな失敗例に、洗濯機を縦型からドラム式に買い替えようとしたところ、廊下がドラム式洗濯機が通れない幅だったため、買い替えを断念したというケースもあります。狭すぎる廊下は、弊害が生じる可能性があるため注意が必要です。
家を建てるタイミングでは「必要ない」と考えたものの、実際に暮らしてみると「やっぱり必要だった」と後悔するパターンもままあります。例えば友人を招いたり、親戚縁者が訪れる機会が多くなると予想されるなら、客間を設置することも検討すべきです。また、お子さんが小さかったり、まだ生まれていないタイミングでは、つい子供部屋は必要ないと考えてしまいがちですが、ある程度の年齢になると、お子さんは自分の部屋を欲しがるようになります。そうした将来を見据えておくことも重要です。
ローコスト住宅に限らずすべての住まいに言えることですが、リビングや個室をできるだけ広くしたいというのは人情です。ただし、そのせいで収納スペースを少なくしてしまうというのは考えもの。収納スペースを十分に設けなかったせいで、家がいつも散らかった状態となってしまったという後悔の声を聞きます。また、比較的大きく重量のあるものを収納するスペースはなるべく1階に設けましょう。2階だと、階段の上り下りがかなりの負担になります。